長谷工シニアの住まいと介護

広報トピックス

ロボットで認知症支援!?
〜国立障害者リハビリテーションセンター研究所との取り組み

 認知症者を対象とした情報支援パートナーロボットの開発を目的として、国立障害者リハビリテーションセンター研究所から、「ライフ&シニアハウス所沢」の渡部副ハウス長にグループインタビュー参加の依頼がありました。私も見学をさせていただいたのですがこれが実におもしろく、また、「認知症ケアとはなにか」という根本に立ち戻る、いいきっかけにもなりました。
 この日は「ペルソナ手法」といって、実際にロボットを使う人の人物像や使うシーンを想定することに終始。やはり、認知症の「典型」を導き出して一人のモデルをつくりあげるのは至難の業です。


産業技術総合研究所、作業療法士の大学教授、東京大学工学部の研究者たちが集まり、それぞれの立場の意見交換。国立障害者リハビリテーションセンター研究所にて。
 認知症と一口に言っても、脳血管性とアルツハイマー型では症状が違うし、重症度によってもケアの方法が違う。生活を共にし、その方の生活歴やその方にとっての文化をよく知ることなしでは難しいケアです。100人いたら100通り、いや200通りの方法があるかもしれない。
 だからこそ生活科学運営のハウスでは、グループワークという手法等を導入したチームケアで、仮説と実証を繰り返しながら一人ひとりにあったケア計画を作成することに時間をかけているのですが、それでも、「ご入居者の本当のニーズを理解できているのだろうか」と思い悩むスタッフの姿を目にすることもしばしばです。

 このように最大公約数的な方法が見つけにくい認知症ケアですが、「ロボットには無理」と結論づけないところが、この日のミーティングのポイント。経験豊かな介護者でないとできない部分が大きいことを理解した上で、だからこそ、ロボットで合理化できる部分はないだろうかという議論に発展していったからです。たとえば、自分で今日の食事のメニュー表を見るのを楽しみにしている人が、日付がわからなくなったことでその楽しみを奪われてしまうのだとしたら、日付を伝える部分をロボットが担えないだろうか、というふうに……。

 じつは心のどこかで、「ロボットに認知症の方の支援は無理」と思っていました。
この偏見、撤回します。視力が落ちたら眼鏡をかけるように、認知症が理由でできないことが出てきたら、必要に応じた“何か”に補ってもらえばいいだけのこと。
福祉機器ができること、医療スタッフや介護スタッフでなければできないこと、ボランティアや家族ならではのサポート…。必要なのはそのどれか、ではなく、全部の連携なのかもしれません。
( 2009.6.29 )