株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

ご夫婦の再会

暮らし

長谷工シニアウェルデザインの「顔の見えるケアプラン」では、
ご入居者お一人おひとりのその方らしさを大切にしたケアプランを作成し、
そのケアプランに基づいたサービスの時間を「プレミアムタイム」と呼び、力を入れて取り組んでいます。

今回ご紹介するのは、ご夫婦の再会を支援したプレミアムタイムのお話です。

ご入居者:O様

O様ご夫妻は、ご主人が自立居室、奥様がケア居室で生活されていました。
お元気な頃は、ご主人がよく奥様のもとを訪れ、お二人で穏やかな時間を過ごされていました。
しかし、ご主人が病気で入院されてからは面会することができず、そのまま容態が悪化。
遠方の緩和ケアホスピスへ転院されることが決まりました。

ご主人の強い希望で奥様もいずれ同じ病院にご転居の予定でしたが、奥様の転居には少し時間がかかる状況でした。
入院後、一度も会えていないお二人。
このまま離れてしまう前に、何とかお会いいただけないだろうかという思いが生まれました。

ある日、スタッフ同士の何気ない会話の中で、
「会える時があれば、一度会っていただきたいですね」
という声が上がりました。

すると別のスタッフも、
「すぐにご家族に聞いてみましょう」と続けます。

その瞬間、スタッフの気持ちがひとつになりました。 

そこからの動きはとても早いものでした。
病院へ面会許可のお願いをし、介護タクシーを手配し、付き添い職員の調整を行いました。
当日の服装も準備し、その日のうちに必要な段取りを整えることができました。
O様には前日までにお話をしていたのですが、今ひとつ状況を理解されていないご様子でした。

迎えた朝。
お化粧をし、お気に入りの服に着替え、髪を整えました。
仕上がった姿を鏡で見ていただくと、奥様は静かにうなずかれます。
その表情はどこか凛としていて、一流企業で活躍されていた頃の颯爽としたお姿が目に浮かぶようでした。

眠くなってしまうことが多いため、当日は出発までは体力を消耗しないよう休んでいただき、介護タクシーに乗り、病院へ向かいました。
病院に到着すると、ご主人のご家族が待っていてくださり、涙を浮かべながら迎えてくださいました。

病室へ入り、ご主人のベッドのそばまで近づいていただきます。
そっとお二人の手を重ねると、そのまま自然に握られました。
言葉は多くありません。けれど、ご主人はじっと奥様を見つめておられます。
奥様もまた、ご主人の顔から視線を離されませんでした。
とても静かな時間でした。でも、その空間には確かにお二人だけに分かる想いが流れていました。

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しばらく寄り添った後、「そろそろ帰りましょうか」とお声掛けしました。
すると不思議なことに、お二人はまったく同じタイミングで手を振られたのです。
長年連れ添われたご夫婦だからこその呼吸だったのかもしれません。

病室のドアを閉めた直後でした。
O様がスタッフの方を見て、

「おかげさまで」と一言。

そして、にっこりと笑顔を見せてくださいました。
そのお姿を見た瞬間、この再会がO様にとってかけがえのない時間だったことを確信しました。

後日、ご家族からお話を伺いました。
ご主人は面会後、「会えてよかった」と話しておられたそうです。
ご家族からも感謝のお言葉をいただき、
私たちにとっても、胸に深く残る出来事となりました。 

その後、奥様の転居を控えた前日、ご主人ご逝去のお知らせが届きました。
深い悲しみがスタッフに広がるとともに
「あの日、ご夫妻で会っていただけて本当に良かったですね」という言葉がスタッフ全員から出ました。

プレミアムタイムは特別なイベントだけではありません。
その方が大切にしている人、その方らしく生きてきた時間に寄り添うこともまた、大切な支援だと感じています。
今回のお見舞いを通して、私たちは改めて「顔の見えるケアプラン」の意味とスピード感をもって実行に移す重要性を実感しました。

これからもご入居者お一人おひとりの想いに耳を傾けながら、その方らしい時間を形にしていきたいと思います。

 

 

【顔の見えるケアプランとは】
長谷工シニアウェルデザインでは、ご入居者お一人おひとりのこれまでの暮らしや経験、趣味や嗜好、やりたいことなどをお伺いし、その方らしさを大切にした「顔の見えるケアプラン」を作成しています。
顔の見えるケアプランで計画した、その方らしい「心地よい」サービスの時間を「プレミアムタイム」と呼び、力を入れて取り組んでいます。

 

※本ページに掲載されている写真は、ご本人またはご家族の了承をいただいた上で使用しています(掲載内容の無断転載・二次使用禁止)。