夏の夕暮れ、食堂の窓を閉めようとした際、柱に並ぶ二つの空蝉を見つけました。
すぐそばにいたご入居者にそのことをお伝えすると、
「あら?気づいてなかったの?随分前から、仲良く並んでいたよ」と教えてくださいました。
緑あふれる中庭を背景に、寄り添うように残された二つの抜け殻。
その姿はどこか微笑ましく、思わず足を止めてしまいます。
「この二匹は共に空へ飛び立てただろうか」
「オスとメスだったら、羽化した瞬間にカップルね」
「幼馴染だったらうまくいきそう」
「逆に近すぎて嫌だったりして」。
そんな自由な空想が次々と広がり、自然と会話も弾みました。

何気ない日常の中にも、季節を感じる発見や語らいの時間があります。
小さな空蝉が運んできてくれた夏らしい話題とともに、穏やかな夕暮れのひとときが過ぎていきました。
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