株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

~ご入居者同士が教えてくれた大切なこと~

ブログ: ブランシエールケア西千葉

~ご入居者同士が教えてくれた大切なこと~

暮らし

介護の仕事をしていると、多くの出会いと別れを経験します。
その中には、職員とご入居者だけでなく、ご入居者同士のかけがえのない関係もあります。
今回ご紹介するのは、私が忘れられないあるお二人(A様とB様)ののご入居者のお話です。

お二人はここブランシエールケア西千葉で親しくなり、意思疎通が取れ、興味・趣味も合っていたようでした。
「今のお寿司屋さんは、くるくる回ってるのよ。一緒に行ってみよう!この年になって社会見学よ」とA様。
一緒にお寿司を食べに行く約束をされていました。
「お寿司を食べに行こうと誘われるけど、お寿司あまり好きじゃないの。
でも一緒に行ける事が嬉しいから。施設に入っていると友達と一緒に外食なんて、我がままよね。」と
B様は嬉しそうにそんなお話しをよくされていました。

その後、A様はホームでの日々の中で元気を取り戻され、周囲の協力も得られることになり、
もう1度ご自宅で暮らすことにチャレンジしたい、とホームを退去することとなりました。
私たち職員にとってもさみしくも、本当に嬉しい出来事でした。

ご退去の日も「いつか一緒に食事をしようね」そんな約束をA様とB様お二人で交わされていました。
しかし、その約束が叶う前に、ホームでお過ごしのB様のアレルギー症状が強くなりました。
何度かお食事に行けるようにと、様子を伺っていましたが、徐々に体調が悪化されていきました。
私はお二人の関係を見ていたからこそ、「なんとか会わせてあげたい」という思いが強くなり、
事業所長にも相談し、A様にご連絡をしました。

すると、A様ご自身も体調が万全ではない中、

「会いに行きたい」

と仰ってくださいました。
当日、A様は手土産を持って来られました。
B様が好きだった「しそ巻き」です。
きっと、「喜んでくれるかな」という気持ちで選ばれたのだと思います。
しかし、その頃にはB様はもうお食事を口にすることが難しい状態だったこともあり、
手土産を食べていただくことはできませんでした。
それでも、その再会には大きな意味がありました。
ベッドで横になっているB様の手を握りながら、A様が静かに声をかけました。

image_nishichiba
※イメージイラスト

 


「私も手術をしたのよ。私は手術を断ろうとしたら、息子から『神様からの手を握って、自分から放さないで』と言われたのよ。
今日も神様が手を握っているからね。最後まで神様の手を離さないでね。」

その言葉を聞いた瞬間、私は胸が熱くなりました。
体調が優れない中でも会いにいらしたこと。
いつか会う可能性を諦めなかったこと。
『いつか』を信じ続けたこと。
まさに、最後まで神様の手を握っていようとしていること。

介護の現場では、どうしても「できなかったこと」に目が向いてしまいます。
もっと早く会えていたら。
一緒に食事に行けていたら。
好きなものを食べてもらえたら。
そんな思いが残ることもあります。
でも、この出来事を通して私は気づかされました。
大切なのは、食べることや出かけることだけではない。
会いたい人に会うこと。
想いを伝えること。
手を握ること。
それもまた、その人らしい人生を支える大切な時間なのだということです。

介護職員は、ご入居者の家族ではありません。
けれど、ときに家族よりも長い時間を共に過ごし、その方の人生の最終章に寄り添う存在となります。
お看取りの場面では、「人生の最期に一緒にいる他人」になることもあります。
だからこそ私は、身体のケアだけでなく、人と人とのつながりも大切にしたいと思っています。

あの日、お二人が再会し、手を握り、言葉を交わす姿を見て改めて感じました。
私たち介護職員の役割は、その方らしい人生を最後まで支えることなのだと。
そして、その人生の最終章に寄り添う「最後に一緒にいる他人」として、後悔のない時間を提供したいと思っています。

介護の仕事の中で出会う奇跡のような瞬間。
その1つとして、この再会を私だけでなく、ブランシエールケア西千葉の職員は、忘れることはないでしょう。

 

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