株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

最期の日々を、最高の日々に

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最期の日々を、最高の日々に

第二の我が家のように

 「パパは勉強が趣味みたいな人で、『私の百科事典』なんて呼んでいたんですよ」。YAさん(享年88歳)との思い出を、にこやかにお話しされるYKさん。YAさんの好きな色だった「赤」をいつも身につけているほど、仲の良いご夫妻でした。そんなYAさんが、突然倒れたのは2023年8月。経管栄養となり、会話も難しく「長くないかもしれない」というのが医師の見立てでした。

 最期の場所をどこで過ごそうか――施設を探す中で「ブランシエールケア西千葉」の存在を知り、YKさんは「神様からのプレゼントだ!」と感じたと言います。多くの施設が面会を制限する中、毎日面会ができ、さらに居室の窓から、毎週日曜日にご夫妻で欠かさず通っていた、教会の屋根が見えたのです。


左からYKさん、YAさん(写真)、M。
左奥に見える赤い屋根の建物が教会

 以後、YKさんは毎日、YAさんの元を訪ねました。「最初は遠慮して短時間にしていたのですが、スタッフの皆さんが笑顔で歓迎してくださるので、居心地が良くて。すぐに朝から夕方まで、ここで過ごすようになりました」。趣味の編み物をしたり、時には居眠りをしたり。まるで第二の我が家のような場所になっていきました。ケアマネジャーのMは当時を振り返ります。「YAさんのように要介護度の高いご入居者は特に、スタッフを含め体調管理を徹底し、なるべくご家族が一緒に過ごせるよう努めてきました。それが功を奏したのか、YAさんは次第に体が動くようになっていき、私たちも驚きました」。

 

サプライズで教会へ スタッフにとっても大きな学びに


教会での記念写真。当日はご家族からのビデオメッセージもサプライズで上映

 そんな中で、一つのプロジェクトが動き出します。「YAさんを通い慣れた教会にお連れする」。「顔の見えるケアプラン」づくりのためにスタッフがYKさんからヒアリングしていた希望を、実際に叶えることにしたのです。実施日は、YAさんの誕生日の5月23日に決定。スタッフとYKさんで力を合わせ、牧師さんや教会仲間の方々とスケジュールを調整し、日々、YAさんの体力づくりにも取り組みました。
そして迎えた当日。「讃美歌をみんなで歌った後、パパが自ら2曲目を歌い出したんです。夢のような時間でした」。プロジェクトの成功は、スタッフにとっても大きな自信となりました。「ご入居者がその方らしく輝くために、私たちにできることがあるならば、何でも挑戦してみようという空気が生まれました」とMは語ります。

 その年の夏、YAさんは天国へと旅立たれました。「ここで過ごした最期の一年は、お互いのことをより分かり合えるような、豊かな時間でした。スタッフの皆さんのおかげです」とYKさん。今では、YAさんとの思い出が詰まった教会にお一人で通われているとのこと。腕には、赤い腕時計が輝いていました。

出典:2026年1月1日発行「間楽」5号