株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

ブログ: ブランシエール神宮南井田

ノーリフティングポリシーのご紹介

暮らし

ハウスで使用している介護ベッドには、ベッドの高さを調節する機能、
頭側を上げる機能、足側を上げる機能などがあります。

これらを使用するだけで、
介護する側と受ける側両方の体の負担を軽減することができます。

 

ベッドから体を起こす場面を想像してみてください。
ご入居者の中には、自力で体を起こせない方や、
ゆっくり起きないとフラフラする方もいらっしゃいます。

そんな場合はベッドの頭側を少しだけ上げます。
頭側が上がる分、体が動く距離も短くなるので負担が減少します。

ハウスでは、起き上がりのたびに腰痛を訴えていたご入居者が、
頭側を上げることで痛みなく起き上がりできるようになりました。

 


このままでは自力で体を起こせない方も……

頭側を上げると負担が減少します!

   

次はベッドから車いすへ移る場面です。
足に力を入れ、一度立ち上がってから車いすへ座ります。
立ち上がる時には膝の角度が一定以上になると立ち上がりやすくなります。

皆さんも、低すぎる椅子から立ち上がるより、
座面が高い椅子から立ち上がる方が楽に少ない力で立ち上がることができませんか?
ご入居者の方も、姿勢さえしっかりとることができれば、
自分の力だけで立ち上がることができる人もいるのです。

  

実際にハウスで取り組んでいるのがこちら。
一見、普通の介護用ベッドですが、 赤い紐が垂らしてあります。

これだけ足が伸びていると力が入りにくいですが……

しっかりと足が床についています。これなら立ち上がりやすいですね!

 

一枚目と二枚目の写真を見比べていただくと、 座っている人の膝の角度が違う事が分かるかと思います。   ご入居者が一番立ち上がりやすい姿勢をとっていただけるように 赤いひもを目印につけて調整しています。

実際に、この紐をつけてから、スムーズに立ち上がることができるようになりました。

 

実はこういった工夫は、ノーリフティングポリシーと呼ばれる取り組みなんです。
オーストラリア看護連盟が看護師の腰痛予防対策のために
1998年頃から提言したもので、
ご入居者も介護スタッフもお互いに負担のかからないような介護をするため、
自立度を考慮し、ハウスでもこのノーリフティングポリシーに取り組んでいます。

 

今回はノーリフティングポリシーの取り組みとして、
介護ベッドの活用方法をご紹介しました。
次回はスライディングシートという道具をご紹介します。
今後もノーリフティングの活動を紹介していきます!

from. ハウススタッフ