晩秋を迎え、隣接する茅ケ崎公園の木々も葉を落とすのに忙しい季節となりました。
“ブランシエール港北2”の隣にある東京横浜独逸学園(以下、ドイツ学園)より、今年も「朗読会」のお誘いがありました。
ドイツ学園は、幼稚園から高校生までのお子さんが学ぶ、国際色豊かなインターナショナルスクールです。
今年は、高校生の生徒さん5名と先生2名が“港北2”にお越しくださり、ケアフロア(介護型居室)のご入居者6名とスタッフで参加しました♪

「大切なものは目に見えない」という有名な言葉が含まれる場面です。
今年の題材は、世界中で愛されるサン=テグジュペリの名作『星の王子さま』。
フランスの作家・飛行士であるサン=テグジュペリが、1943年にこの作品を発表した作品。
世界中で翻訳され、児童文学としてだけでなく哲学的なメッセージを含む名作として愛されています。
読んでくださったのは、物語の中でも特に印象的な「きつねのエピソード」。
まずは日本語で、次にドイツ語で朗読していただきました。
王子様ときつねの台詞に分かれて読み上げる気持ちのこもった表現に、ご入居者の皆様も真剣な表情で耳を傾けていらっしゃいました。
朗読が終わるとすぐに、
「とてもお上手でしたね」
「漢字もスムーズに読んでいらしたの?ご立派ね」
と、生徒の方々に声をかけられていました。

日本語を学ぶ学生さんの真剣な朗読。細やかな発音への気配りが印象的でした。
朗読の後の交流タイムでは、ドイツ学園の先生より、「ドイツでは毎年この時期に“朗読週間”があり、朗読を楽しむ文化が根付いている」というお話を伺いました。
本を声に出して読むことで、言葉の響きや物語の世界を共有する――そんな素敵な習慣に、ご入居者の皆様も感心されていました。

ドイツ学園の先生より、「皆様が17~18歳の頃はどちらにお住いでしたか?」とご質問があると、すかさずご入居者の方から「私は神戸にいました!」とあると、生徒さんも「神戸にいたことがあります」とお話が弾む場面もありました。
窓から見える黄色く色づいた植栽を眺め、ご入居者の方から「東京大学のイチョウ並木をぜひ見てもらいたい」というお話もありました。
昔は東京大学の前を市電が走っていて、イチョウの葉が落ちる時期には、滑らないよう砂を撒いていたそうです。
秋の風景とともに、懐かしい思い出が語られるひとときとなりました。

最後には、ピアノが得意な生徒さんによる演奏も披露していただきました。
イタリア国籍の生徒さんが演奏してくださったのは『ニュー・シネマ・パラダイス(1988年公開のイタリア映画)』の名曲。
音楽のお好きなご入居者の方は、笑顔で聴きられ、会場はやさしい音色に包まれました。

かわいらしい天使の置物をプレゼントしていただき、ご入居者の皆様もとても喜ばれていました。
『星の王子さま』のテーマである「本当に大切なものは目に見えない」という言葉は、今回の交流にもぴったり。
「王子様のバラ」「王子様のきつね」のように、言葉や文化の違いを越えて、同じ時を共有し、心と心がつながる時間となりました。
それでは教えていただいたドイツ語でご挨拶。
Auf Wiedersehen(アウフ ヴィーダーゼーエン)!!