株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

入居者が主体的に暮らしを楽しむこと。それこそが「心地いい『間』」の原点

間楽 ーまらくー

入居者が主体的に暮らしを楽しむこと。それこそが「心地いい『間』」の原点

ライフ&シニアハウス井草

今永 敬嗣さん(88歳)
リビングデザインスタッフ 森 眞佐子

2021年に開設20年を迎えた東京都杉並区のホーム「ライフ&シニアハウス井草」。今回は開設と同時にご入居された今永さんとホームで17年勤めるスタッフの森が、その歩みを語り合います。

今永
開設からもう20年になるんですね。感慨深いです。私が「井草」を選んだのは、入居者一人ひとりの人格を尊重して、その人らしい暮らしを大切にする姿勢が魅力だったから。入居してまず感じたのは、「ホームでの生活を楽しもう」という皆の熱気。新たな暮らしへの期待に胸を膨らませて入居してきた者同士、すぐに仲良くなりました。
私が「井草」で働き出したのは開設から3年後でしたが、たしかにそういう印象は強かったですね。いろいろな機会に皆で集まって、イベントを開いていた記憶があります。
今永
大晦日には皆で年越しそばを食べに行ったり、スタッフを交えて新年会を開いたり。友人のようでもあり、家族のようでもある。この歳になってそんな関係を築くことができ、嬉しく思ったものでした。
ほかにも、「喫茶店」と称して共用部でお茶の時間を設けたり、今永さん主催の映画上映会を開催したりもしていましたね。
今永
私自身はそこまで映画に詳しいわけではないんですが、それでも観に来た方が喜んでくれるのは嬉しいものです。特に青春時代に観た作品に触れると、皆さんすごくいい反応をするんですよ。
そうですよね。振り返ればご入居者だけでなく、私たちスタッフも加わって、共に暮らしを楽しんできたのだと感じます。
今永
それこそが集団生活のメリットだと、私は思うんです。もちろん、個人で過ごす時間を大切したいときもあり、お互いに無理強いはしないようにしています。この20年間、時代の変化と共に価値観も多様になってきたので、入居者同士の距離のとり方も難しいな、と感じることがあります。
難しいといえば、ここ数年はコロナ禍ということもあり、以前と比べると「大勢で集まる」ということがしづらいので、働いている側としても、もどかしさがありますね。
今永
でも、感染対策を行いながら脳トレや体操が再開されるなど、嬉しい兆しもあるじゃないですか。
そうですね。生活様式の変化に合わせながら、みんなが気軽に集まって言葉を交わせる環境をこれからも提案していきたいですね。
今永
私も昔を懐かしむだけではなく、これからの「井草」を、より心地いい居場所にしていくために何ができるか、一緒に考えていきたいと思います。

今永さんとスタッフの森。
歴代のイベント写真を見ながら思い出を振り返ります