株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

仲間と愉しみ、縁をつむぐ「あおぞらいち」

間楽 ーまらくー

仲間と愉しみ、縁をつむぐ「あおぞらいち」

ブランシエール鶴舞公園

あおぞらの下で、ご近所づきあい

 2021年10月のある日、「ブランシエール鶴舞公園」では、あるマーケットを開催しました。その名も「あおぞらいち」。ホームで活動する「縁迎(園芸)部」の皆さんが育てた植物を、地域に向けて販売するという試みです。並んだ鉢の数々は、ラベンダーや多肉植物など豊富な品ぞろえ。初めての開催にもかかわらず、約50鉢を売り上げることができました。

 今回販売した植物は、ホーム2階のテラスで縁迎部の皆さんが挿し木などで増やし育てたものです。これらはご入居者と共に、以前住まわれていたご自宅から「お引越し」してきました。季節ごとにその表情を変え、ホームの暮らしに彩りを添えていますが、テラスのスペースも限られているため、「せっかくなら地域の方におすそわけを」と、「あおぞらいち」の開催に至りました。

植物に囲まれたテラスでは蝶々やトンボも増え、ご入居者とスタッフとの会話も弾みます

 発案者でもあるリビングデザインのスタッフ・宮崎淳子は、「植物を通じてご近所にホームを知っていただくきっかけになればと思い、提案をしました。地域との関係が深まれば顔見知りができ、有事の時の助け合いや安心にもつながります」と語ります。この提案に縁迎部の皆さんは大賛成。当初、植物を無料配布することも検討しましたが、あえて販売とし、収入は新しい土や肥料を購入する資金にすることにしました。これは、活動を持続させることで地域とのつながりを絶やさず、微力ではありますが緑を増やし、環境保全にも貢献したいという思いからです。当日に向けて植物の挿し木や手入れはもちろん、口コミで活動を宣伝する方や、販売する植物の「おまけ」として折鶴作品を制作する方など、それぞれの得意分野を生かして約半年、準備を進めてきました。

ホームのテラスから地域へ

 縁迎部のメンバーである栗田朝子さん(67歳)は、「鶴舞公園」に入居する約15年前から、ラベンダーを手塩にかけて育ててきました。ご自宅から共に入居した数鉢を、今回の「あおぞらいち」で株分けをして販売しています。「以前は一軒家に住んでいたため、マンションのようなホームではささやかに植物を育てる程度かなと思っていましたが、まさかこんなに活動が広がるとは想像もしませんでした。コロナ禍で生活が制限される中、植物の成長する姿は張り合いになりましたし、毎日の水やりなど縁迎部の仲間とのコミュニケーションが日々の楽しみとなりました。今後はもっと地域とのご縁を増やしていきたいですね」。

 「あおぞらいち」で植物を購入された地域の美容院からは、お店の窓辺に置いて育てているという報告もあったとか。今後は育てた植物から取れた種を、近隣の小学校などに配布することも計画中です。ホームのテラスから地域へ、緑がつむぐ仲間の輪は少しずつですが確実に広がっています。

育てた植物は、一鉢一鉢丁寧に株分けしました

「あおぞらいち」では縁迎部のご入居者が楽しく接客も

「花が咲いたらみんなで『ラベンダースティック』を作りたい」と話す栗田さん