株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

心と心をつなぐ「笑いヨガ」セッション

間楽 ーまらくー

心と心をつなぐ「笑いヨガ」セッション

笑いの新習慣

 ご入居者に自分らしい生活をお送りいただくには、身体はもちろん、心を健やかに保つことが大切です。長谷工シニアウェルデザインでは、心の健康や老化遅延に効果的だと注目を集めている「笑い」に着目し、サービスメニューに取り入れています。
 ある日の昼下がり、「ブランシエールリボンシティ川口」のエントランスホールで行われているのは「笑いヨガ」のセッション。リビングデザインスタッフ・吉田紀江のかけ声とともに身体を動かし、笑顔があふれる楽しい時間です。「笑いヨガ」とは、インド発祥の健康体操。笑うことが心身に与える健康効果を、身体を動かしながら享受するエクササイズとして、世界百カ国以上で行われています。

リードを行ううちに、自らも「笑いヨガ」の虜になったという吉田

夕食時の食堂でも、岡本さん(手前左から2番目)を中心に自発的に実践

 「川口」では2022年6月より「笑いヨガ」を取り入れています。初回開催時は「笑いヨガ」のスペシャリストを招いて体験会を行いましたが、その時参加されたご入居者の生き生きとした表情に、吉田はいたく感動したといいます。「私自身もとても楽しくて、継続して開催できたらすばらしいなと思ったんです。その後、会社で『笑いヨガ』のセッションを行うための講座を受講できるチャンスがあり、迷わず手を挙げました」。講座でノウハウを習得し、ご入居者に参加を呼びかけてエントランスホールでの定期開催をスタート。 当初はいささかおぼつかなかった吉田のリードも少しずつ様になってきて、毎週の楽しみとして参加される方も、少しずつ増えてきました。

「笑いヨガ」のセッションに参加する皆さん。参加者の輪は着実に広がっている

定着、そして新たな文化へ

 参加されているご入居者からは「大きく体を動かすと気持ちが良い」「気分が明るくなる」と前向きな感想をいただいています。ストレスの軽減によるものか、ポジティブな発言が増えていると感じているスタッフも。健康にも確かな効果が出始めていることが実証されています。

 ホームの習慣として定着しつつある「笑いヨガ」。それはもはや、スタッフ側が提供するだけの存在ではなくなってきています。「川口」の食堂では毎朝毎晩、挨拶とともに「笑いヨガ」のかけ声とポーズをとるのがご入居者の日課になりました。自然と周囲が笑顔になり、和やかな空気が流れます。始めたのはご入居者の岡本祥一さん(94歳)。「ただ挨拶してもつまらないでしょう。コロナ禍で会話が推奨されない中、ちょっとでも楽しい雰囲気にできないかと思って」と語ります。

 心と心をつなぎ、より健やかで気持ちの良い暮らしを紡いでいく──笑いがもたらす新しい文化が、「川口」で吹こうとしています。


「笑い」がもたらす心身への効能

PROFILEー

福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授。笑いを活用した効果的なストレス消法の実践的研究などを行っている。2022年4月より、長谷工シニアウェルデザインの「笑い」に関する効果的なサービスメニューの開発・提供を監修。

大平 哲也 教授


 笑いが心身の健康にメリットをもたらすことはさまざまな研究で実証されていますが、その理由としては①笑う動作そのものが有酸素運動であり、脂肪燃焼や 筋力増強につながる ②大声で笑っているとき、多くの人は頭をからっぽにしてリラックス状態となり、ストレス解消効果がある ③周囲の人との関係が良好・円滑になる社会的効果 の3つがあげられます。年齢を重ねるほどに、笑いはますます重要になっていくといっていいでしょう。
とはいえ、そんなに面白いものに触れ続けるのは難しいという人も多いと思います。しかし、「あっはっは」と笑い声を出すという行為そのものに、大きな効果が期待できます。そのアプローチとして注目されているのが「笑いヨガ」。「川口」で継続的に実践し、またご入居者の皆さんに親しんでいただけていることは非常に喜ばしいことだと思います。 同ホームおよび「ブランシエール市川」で実施した調査では、笑いを生活に取り入れた方の健康状態に、心身機能の改善を示す数値の変化が確認されました。長谷工シニアウェルデザインさんにはぜひより多くのホームで取り入れて、笑いのあふれる環境作りに取り組んでいってほしいです。

「笑い」がもたらした心身への影響

笑いヨガのセッションや落語会を8回にわたり実施した「川口」・「市川」における、ご入居者の健康データ。 実施前と実施後を比較すると、唾液中のオキシトシン※が上昇し、逆に体脂肪率は減少傾向が見られた。
※ オキシトシン : 幸福感や社交性の向上、不安や恐怖心の緩和につながるとされるホルモン