宮崎台つどいの家では、食器拭きをご利用者に頼むことが多い。

「いっしょに食器拭きませんか？」と聞かなくても、

「どれ、じゃあ拭いてあげましょうかね」とご自分から率先して手伝ってくださるご利用者もいる。

 

ここは、お手伝いが好きで、優しいご利用者が多い。

 

しかし、私は男性のご利用者には頼まなかった。

なんだか気が引けるから。

「なんで俺がそんなことやらなきゃいけないんだ!」と思われるかもしれない。

 

「いや、でも毎回同じ人に頼み続けるのもなぁ」という思いもあったので、思い切ってその日、男性のご利用者Kさんに食器拭きを頼んでみた。

「Kさん大正生まれだし、『家事は女の仕事』っていう考え方かもしれないから、下手したら怒られるかなぁ」とドキドキしながら。

 

すると、Kさんは「はい、いいですよ」と食器を拭いてくれた。 それだけでなく、お客様用のスリッパを拭く仕事も手伝ってくれた。 「こういうこと昔からやってらっしゃったんですか？」と聞くと、 「いや、ほとんどやってなかったよ」とおっしゃった。

 

世代や性別による先入観や偏見は持ってはいけないと感じた。

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