今回、ご入居者の「もう一度、自宅の様子を見に行きたい」という願いを叶えるため、
ブランシエールケア常盤台での外出支援の様子をご紹介させていただきます。
W.T様はご入居前、ご自宅で長く暮らしておられました。
ご入居後も、ご自宅の管理は弟様が草取りや庭木の手入れをしながら続けてくださっていました。
ところが弟様が他界され、その後のご自宅の様子が気がかりになっていたそうです。
「お嫁さんはいるけれど、負担はかけたくない」
そんな思いを胸に抱えながらも、現在のお身体の状態ではお一人で見に行くことはできません。
ある日、スタッフがたまたまW.T様のご自宅周辺を通った話をすると、表情が少し変わりました。
「そういえば、前に見に行った時は草が塀より高くなっていたのよ」
「一度、見に行きたいね」
以前から気になっていたお気持ちがよみがえった瞬間でした。
そこで私たちは、ご家族へ確認を行い、ご自宅へ帰ることを企画しました。
介護タクシー(マイル搬送サービス)に事情説明と依頼や日程調整、付き添い体制の準備などが始まりました。
W.T様は当日まで、
「今は一人じゃ行けないからね」
「誰かがいてくれないと無理だよ」
と不安そうに話されることもありましたが、
スタッフが一緒に行きたいと楽しみにしていることを繰り返しお伝えしていると、
ご自宅へ向かう日が近づくにつれて、少しずつ楽しみにされているご様子が見られるようになりました。
また、車移動に備えて、車いすで過ごすことに慣れていただくための時間を毎日に実施し、準備を進めます。
そして、当日。
午前10時に介護タクシー(マイル搬送サービス)でブランシエールケア常盤台を出発しました。
車内では昔話に花が咲き、窓の外を眺めながら穏やかな時間が流れます。


そして、ついにご自宅へ。
到着すると、W.T様はじっと庭の方へ視線を向けられました。
以前気になっていた草は外からは見えませんでしたが、庭木は大きく成長していました。
その様子を見ながら、
「木がずいぶん大きくなったね」
としみじみ。
さらに、お隣にお住まいの姪御様が気付いて外へ出てきてくださいました。
久しぶりの再会です。
「会えてよかったです。ありがとうございます」
と温かい言葉をいただき、W.T様も自然と笑顔に。
その後は周辺を眺めながら、昔の思い出をたくさん聞かせてくださいました。
「あのトタン屋根の建物があった場所、覚えてる?」
「昔は工場で大企業の下請けをしていたのよ」
「隣の小屋はお風呂だったんだよね(笑)」
当時の風景を一つひとつ思い出しながら話されるW.T様の姿は、とてもいきいきとしていました。
今回はご自宅周辺の確認が目的でしたが、もう一つ大きな発見がありました。
庭にある八重桜の木です。
その木を見上げながら、
「次は桜だね」
とW.T様。


以前はできていた移動や動作が難しくなったことを口にされる場面もありました。
ただ、その言葉以上に印象的だったのは、次の楽しみへ目を向ける前向きな気持ちでした。
今回の外出を通して、ご自宅への心配が少し和らいだことはもちろん、新しい目標が生まれたことが何よりの収穫でした。
私たちも改めて、できなくなったことに目を向けるだけではなく、
今できることや、これから楽しめることを一緒に探していく大切さを感じました。
これからもW.T様らしい時間を大切にしながら、桜の季節には再びご自宅を訪れる機会を一緒に作っていけたらと思います。
次は満開の桜を一緒に見られることを楽しみにしています。
※本ページに掲載されている写真は、ご本人またはご家族の了承をいただいた上で使用しています(掲載内容の無断転載・二次使用禁止)。
