株式会社 長谷工シニアウェルデザイン

時に美術、時に音楽。アートの力がもたらす豊かな時間

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時に美術、時に音楽。アートの力がもたらす豊かな時間

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「家族との時間、犬の散歩、ゴルフや謡の練習など毎日やることがたくさん」と話すKさん

東京藝術大学 山﨑教授や研究室メンバーのアドバイスを受けながら作品作りに挑戦
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全3 回のプログラムを経て完成したKさんの作品「和風翡翠」

文化に触れ、自ら生み出す喜び

 ご入居者の生活を、より豊かで「ときめき」に満ちたものにしていきたい── そんな思いのもと、長谷工シニアウェルデザインでは各ホームごとにさまざまな取り組みを行っています。その中の一つ、「ブランシエール目黒」で提供しているのは、東京藝術大学が開発したアートプログラム。同学教授による西洋美術史の特別講座を定期的に開催しているほか、自ら手を動かして作品づくりを体験できる「※sutekiプログラム」も好評を博しています。

 ある秋の日の午後、「目黒」のマルチルームには参加を希望されたご入居者が集い、東京藝術大学の山﨑宣由教授指導のもと「鳥」をテーマに水彩画に挑戦しました。参加者の一人、Kさん(82歳)がモチーフに選んだのは椿と鴨。山﨑教授や研究室所属の学生のアドバイスに耳を傾けながら、真剣に筆を走らせていきます。「思った以上に面白いものですね。ほめられると特に楽しい(笑)。絵画を趣味にしている友人も少なくないので、私も始めてみようかな」と目を細めつつ、色鮮やかで生命力あふれる一枚を仕上げました。


 

吹き抜けラウンジに響くプロの歌声

 絵筆を持つのは小学校以来とのことながら、学生時代に始めて今なお継続中の能の「謡うたい」を筆頭に、文化的な活動に長らく親しんできたKさん。アメリカ駐在時代、勤めていたサントリーがプロデューサーの一員として成功を収めたブロードウェイ・ミュージカル作品の日本招聘へいに携わったり、サントリーホール支配人時代には、オペラ・アカデミーの立ち上げから関わってきた経歴の持ち主です。その知見と人脈を活用して、2024 年12月に開催された「目黒」開設一周年記念イベントの企画であるオペラ・コンサートにもご協力いただきました。

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参加者の会話や笑い声で賑わう会場
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吹き抜けラウンジに歌声が共鳴したオペラ・コンサート

 「事業所長と雑談をしていて、入居者が音楽を楽しめる演目を検討していると伺ったんです。であれば、私も力になれるかもしれないとサントリーホールに連絡を取り、プロのオペラ歌手の方々をお招きできることになりました。音の響き方を考えて会場を当初予定されていたマルチルームから吹き抜けラウンジに切り替えるなど、『目黒』の皆さんと一緒に企画を詰めていけたのは楽しかったですね」。

 当日は自立フロアだけでなく介護フロアに入居されている方、そのご家族など多くの方が参加され、イベントは盛況のうちに幕を下ろしました。Kさんにとっても予想を超える反響でした。事業所長のIは「文化的な企画を好むご入居者が多いので、皆さん、大いに楽しまれたご様子でした。節目を祝う大切な時間を盛り上げていただき、Kさんには感謝しかありません」と振り返ります。


 

 音楽にせよ、美術にせよ、文化的な活動には人生を輝かせる力が宿っています。鑑賞するだけでも十分に価値はあるものの、能動的に参加し、あるいはまたそれをきっかけに交流を広げることで、その体験はより豊かなものになっていくことでしょう。Kさんは「アートへの関心が高い方が多いのは嬉しいですね」と微笑みます。「目黒」では今後もさまざまな形でその機会を提供し、上質で実りある暮らしのお手伝いに努めていきます。

アドバイザーの声
シニアライフの充実のために、アートができること

 年齢を重ねたとき、ひたすら静かに、何もしない生活を送りたいという方は多くはないでしょう。さまざまなことを体験し、刺激を受け、人とつながる──少なくとも私は、そんなシニアライフを送りたい。アートはその起点となる「自分を表現する」ことの有効な手段だと思います。

 プログラムの中で、参加者の皆さんは思い思いの色で作品を彩っていきます。それは純粋に楽しいことですし、皆さん、どんどん夢中になっていくんですね。会話も弾んで、たくさんの笑顔が生まれる。所定の時間があっという間に過ぎていきます。

 ご入居者一人ひとりがご自身の人生を通じて築いてきた、多様で豊かな感性や価値観。それを理解し合えることは、幸せなシニアライフに大きく寄与するはずです。「sutekiプログラム」がその一助となれたら、こんなに嬉しいことはありません。

東京藝術大学美術学部デザイン科/大学院美術研究科第7研究室(Design Experience) 山﨑 宣由 教授

出典:2026年1月1日発行「間楽」5号